
Story
修学旅行の前日。セミ(パク・ヘス)は、教室で不思議な夢を見た。胸騒ぎを覚えたセミは学校を抜け出し、想いを寄せるハウン(キム・シウン)の病室へと走る。自転車との衝突で脚をけがしたハウンは、修学旅行を諦めて入院中なのだ。ところが、ふいに見てしまったハウンの手帳の一言に、セミの視線が止まる。
”フンババにキスしたい”。

夢のせいで不吉な予感から逃れられないセミは、一緒に修学旅行に行こうとハウンを必死で説得し、ビデオカメラを片手に何とか旅費を工面しようとする。しかしどこか煮え切らないハウンの態度に、セミの抑えていた感情がついに溢れ出す。心に秘めてきた想いを、今日こそ伝えたい。焦るセミと、ある事情を抱えるハウン。
お互い言葉にならない気持ちを抱えたまま、2人だけの夜が訪れた― 。


















Comment
涙が出はじめて、映画が終わってからもしばらく泣きました。
つらいけれど、長く記憶しなければならない瞬間たちも時間が経てば無意味になってしまうと言われます。そんな瞬間をつかまえて、見つめ、観客に伝えることも映画が存在する理由だとするなら、この映画はまさにその証明です。
優しいけれど、深く深く、登場人物たちの感情に切実に共感させる映画『君と私』。
ハン・ジュニ|『D.P. -脱走兵追跡官-』監督
とても繊細で叙情的で、切なく儚い作品です。
イ・ヨンエ|女優
その輝かしい瞬間、瞬間が目も眩むほど美しい。
ソン・チョイ|『調査官ク・ギョンイ』脚本家
私たちは粉々に壊れたとしても、あなたと私はつながっているのだと、最後には証明してくれる。
イ・ジョンピル|『サムジンカンパニー1995』監督
ヤマシタトモコ|漫画家
生きた言葉たちが意識の中にみずみずしくしみこんでくる。
これから春の陽光ややわらかな風を浴びる時、
チョ・ヒョンチョル監督が授けてくれた2 人が愛し、愛しあった永遠の時間を思い出すとおもう。
太田莉菜|モデル・俳優
毎日未熟だった。うまく伝えられなかった。
この一日を見たらその時間の蓄積がわかる。
夢のように苦しくなる素晴らしい映画。
ゆっきゅん|DIVA
でも、大切な人に愛されたいと思ったとき自分に向けている眼差しをその相手に向けることが実はそれが自分の心を本当の意味で眼差す、ということなのかもしれない。
でも私たちはそのことに失って初めて気づく。何度も何度も繰り返していつになったら手遅れではなくなるのだろうか。人生は有限なのだといつになったらわかるのだろうか。
枝優花|映画監督・脚本・写真家
だけどそれは結局のところ、なにを覚えておきたいという望みなんだろう。
たやすく失われてしまうそのものとは、つまりなにのことだろう。
触れれば血が脈うつようなその内実を、この映画は映し出そうとする。
向坂くじら|詩人
そんな、なんてことのない大切な1日に、君がくれた言葉やまなざしが、まるで白昼夢のように私を包む。
いつまでも手を振る君を、淡い光のなかで、見ていたいのに。
前田エマ|モデル
この作品の「君」は「私」だったかもしれないし、「私」は「君」だったかもしれない。
この作品を観る私は「私」だったかもしれないし、「君」だったかもしれない。
稲川右樹|帝塚山学院大学准教授(韓国語教育専門家)