渋谷ホワイトシネクイントほか全国順次公開 監督 :チョ・ヒョンチョル 出演 :パク・ヘス、キム・シウン 撮影: DQM 音楽 :OHHYUK /オヒョク
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Trailer

  • 本予告

  • 特報

Introduction

セウォル号沈没事故を背景に紡がれる
女子高生たちの愛の物語

『君と私』は、2014年4月16日に発生した、安山市檀園高校の生徒250人を含む、約300人以上が犠牲となったセウォル号沈没事故の前日が背景となっている。7年の歳月をかけて繊細に織り上げた脚本と、間接的に事故を想起させる丁寧な演出が高い評価を受け、長編監督デビュー作ながら、第45 回青龍映画賞にて最優秀脚本賞&新人監督賞W受賞の快挙を果たした。監督・脚本を手掛けたのは、ドラマ『D.P.-脱走兵追跡官-』シーズン1など、名バイプレーヤーとして活躍する俳優チョ・ヒョンチョル。チョ監督の個人的な経験を、セウォル号沈没事故を背景に、女子高生2人のラブストーリーへと昇華させた。

胸に想いを秘める主人公・セミ役には、映画『スウィング・キッズ』での好演が光ったパク・ヘス。セミが想いを寄せるハウン役に、世界中で社会的ブームを巻き起こしたドラマ『イカゲーム』シーズン2で迫真の演技を見せた新星キム・シウン。撮影には、広告やMVを中心に手掛ける気鋭の映像監督DQM。音楽を、今年フジロックフェスティバルにも出演し話題を呼んだ、4ピースバンド・ヒョゴのボーカルを務めるオヒョクが担当。「夢と現実の境界を曖昧にしたかった」というチョ監督のイメージを膨らませた、幻想的な映像美と浮遊感のある寂しげなサウンドが紡ぎ出す、忘れがたい一遍が誕生した。

Story

忘れない。きみとの全部。━渡せなかった手紙、おそろいのキーホルダー、泣きながら歌ったカラオケ
忘れない。きみとの全部。━渡せなかった手紙、おそろいのキーホルダー、泣きながら歌ったカラオケ忘れない。きみとの全部。━渡せなかった手紙、おそろいのキーホルダー、泣きながら歌ったカラオケ

修学旅行の前日。セミ(パク・ヘス)は、教室で不思議な夢を見た。胸騒ぎを覚えたセミは学校を抜け出し、想いを寄せるハウン(キム・シウン)の病室へと走る。自転車との衝突で脚をけがしたハウンは、修学旅行を諦めて入院中なのだ。ところが、ふいに見てしまったハウンの手帳の一言に、セミの視線が止まる。
”フンババにキスしたい”。

夢のせいで不吉な予感から逃れられないセミは、一緒に修学旅行に行こうとハウンを必死で説得し、ビデオカメラを片手に何とか旅費を工面しようとする。しかしどこか煮え切らないハウンの態度に、セミの抑えていた感情がついに溢れ出す。心に秘めてきた想いを、今日こそ伝えたい。焦るセミと、ある事情を抱えるハウン。
お互い言葉にならない気持ちを抱えたまま、2人だけの夜が訪れた  。


Director

チョ・ヒョンチョル

監督・脚本

韓国芸術総合学校映像院映画科在学中に発表した短編映画が、富川国際ファンタスティック映画祭、ソウル独立映画祭、ミジャンセン短編映画祭などに招待され注目を集める。その後は、俳優として、映画『コインロッカーの女』(15)や『サムジンカンパニー1995』(20)など個性あふれる演技力によって存在感を高め、ドラマ『D.P. ー脱走兵追跡官ー』シーズン1(21)では“韓国のジョーカー ホアキン・フェニックス”と呼ばれ話題に。同作にて、第58回百想芸術大賞テレビ部門助演男優賞、第20回ディレクターズ・カット・アワードで今年の新人俳優賞を受賞。そしてこの度7年にも及ぶ歳月をかけて、自ら脚本も手がけた初の長編監督作『君と私』が、国内外の映画祭に多数招かれ、高い評価を得ている。

2016年に、個人的な出来事を経験する中で、「死を目前にしたある学生の物語」がふと頭に浮かび上がりました。当時はまだ、具体的な形もビジョンもありませんでしたが、「どうしても語らなければならない物語」として、自然と心の中に定着していきました。その後、何かに突き動かされるように脚本を磨き続け、撮影中も協議を重ねながら修正を加えていき、初期から変わらなかった部分もあれば、時間とともに構想が変化した部分もありました。
脚本段階で特に気をつけたのは、メディアに描かれがちな「平面的な高校生像」を避けること。実際に塾で講師をしながら、学生たちが使う言葉や話し方、会話の流れ、セリフの呼応関係などを丁寧に観察しました。

  監督 チョ・ヒョンチョル『君と私』
制作記より

Cast

  • パク・ヘス

    パク・ヘス

    セミ
    ドラマ『恋のドキドキシェアハウス 青春時代』シーズン1 (16)でユ・ウンジェ役を演じ、初々しく可愛らしい魅力で視聴者を惹きつけ、一躍注目を集めた。その後、映画『スウィング・キッズ』(18)での演技が評価され、第39回黄金撮影賞新人女優賞を受賞。さらに、映画『サムジンカンパニー1995』(20)でも安定感のある演技を見せ、大きな反響を呼んだ。歌やダンスの実力も兼ね備え、作品ごとに完璧に役柄になり切る多才な女優として、着実にキャリアを積んでいる。『君と私』では、あふれ出るハウンへの想いをどうしても隠しきれないセミ役を演じ、不器用だからこそ切ない、複雑で繊細なセミの感情を驚くほど、ありのままに表現している。
  • キム・シウン

    キム・シウン

    ハウン
    ドラマ『それでも僕らは走り続ける』(20)、『メンタルコーチ チェガル・ギル~癒やしのエール~』(22)などでドラマ出演を果たし、初の長編映画主演作『あしたの少女』(22)が、カンヌ国際映画祭で世界的なスポットライトを浴びて鮮烈なデビュー。さらに、日本でも社会現象を巻き起こしたNetflixシリーズ『イカゲーム』シーズン2(24)のレギュラーキャストとして出演し、現在最も注目を集めるライジングスターとしてその名を刻んでいる。『君と私』では、自分でも気持ちがわからず揺れ動くハウン役を演じ、複雑な感情や混乱だけでなく、その年代だからこそ持ち得るユーモア溢れるキャラクーまで、見事に演じ切っている。

Staff

  • Photography

    DQM / 撮影監督

    チョ・ヒョンチョル監督との出会いは、俳優と撮影監督として、2016年に制作された短編映画『詠詩』。これまで主にドキュメンタリーやKPOPアイドルのMV、広告映像などを中心に手がけてきたDQMなら、本作に新しい視点をもたらせると確信し、長編映画の経験がほとんどない彼女を撮影監督として抜擢。登場人物たちをより生き生きと描くために、春の温かな陽光を、最大限映像に落とし込みながら撮影を行った。その結果、『君と私』の映像は、夢と現実の境界に立つような、幻想的で独特の空気感をもつ、唯一無二の映像に仕上がっている。
  • Music

    OHHYUK オヒョク / 音楽監督

    日本でも人気の高い、韓国の4ピースバンド・HYUKOH/ヒョゴのボーカルを務めるOHHYUK/オヒョクが、音楽監督を務めたことも注目されている。映画のエンディングで印象的に響く独特な低音は、オヒョクのアイデアによるもので、彼特有の叙情的でありながら少し風変りな雰囲気を持つ音楽は、『君と私』の世界観を一層引き立てている。具体的な時間や空間を感じさせないために現場のアンビエンスを消すなど、サウンド面でも細やかな配慮がなされ、『君と私』ならではの唯一無二のムードが誕生した。